大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2185号 判決

按ずるに被告人綿貫に対する本件訴訟記録中に渡辺コヨシの司法警察員及び検事に対する各供述調書、木村美代子の司法警察員に対する供述調書、木村美代子の検事に対する供述調書、野口実の司法警察員に対する供述調書同人の検事に対する供述調書が編綴されていないこと及び被告人矢倉の本件訴訟記録中に綿貫文夫の司法警察員に対する供述調書、同人の検事に対する供述調書渡辺コヨシの司法警察員及び検事に対する各供述調書、木村美代子の司法警察員及び検事に対する各供述調書、野口実の司法警察員及び検事に対する各供述調書が編綴されていないことは論旨の指摘するごとくであるが被告人綿貫及び矢倉の各原審第二回公判調書によれば右各書類はいずれも検察官が取調を請求したものに係るものであるところ弁護人はこれが証拠調には異議がなく証拠とすることに同意したので検察官は右各書類を朗読した上裁判所に提出したこと明らかであり又右各公判調書に添付された目録によれば前記各書類は東京地方裁判所昭和二十五年(わ)第六七三九号被告人野口実に対する収賄詐欺被告事件、同地方裁判所同年(わ)第六七四〇号被告人矢倉義男に対する収賄詐欺被告事件、同地方裁判所同年(わ)第六七四一号被告人綿貫文夫に対する収賄詐欺被告事件記録中に夫々証拠書類として編綴されておるものであることを知ることができるのである。かかる場合においても裁判所は検事に謄本を作成させこれを提出せしめて各記録中に編綴しておくことが最も望しい措置であることは固よりであるが前記各証拠書類は既に被告人綿貫、野口、矢倉の各被告事件において証拠として裁判所に提出せられたものであり、右各被告事件はいずれも東京地方裁判所刑事第十六部の三に繋属していたことも判然している以上裁判所は勿論訴訟関係人においても必要があれば何時でもこれを参照し得るのであるから強いて各別に訴訟記録中にこれが謄本を編綴しておかなくとも訴訟関係人に実質上の不利益を与えるものではなく且かくの如きは刑事訴訟法第三百十条の趣旨に反するものとは認められないから、一件記録中に編綴されていない書証は証拠としての効力なく従つてこれを罪証に供した原判決には理由不備の違法があると主張する所論は到底採用できない。それゆえ各論旨は理由がない。

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